蛍の舞う夜

〜サリング七夕祭提出作品

「あ、蛍」

 今日は七夕だね、って電話が来て。
たまには夜の散歩でもしようか、って。
待ち合わせして、のんびりと歩いてたら、ちか、ちか、って光ってて。

「ねえ、圭」

 名前を呼んでみる。

「最初に会ったときも、蛍の光る夜だったよね」

 
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 私たちが最初に出会ったのは、花火大会の帰りのこと。
地元から離れて、人恋しくなって、人出が多そうなイベントと見ると片っ端から参加していた。
その帰り、たまたま道に迷って、道を聞いたのが彼だった。
……実は彼も迷っていて、一緒に夜道を彷徨う羽目になったのだけれど。
でも、だからこそ今がある、のだよね。

 
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「うん。……蛍の光に照らされて、とても綺麗だったよ」

 そして今も、と囁いてくる。
思わず動きが止まったところに、不意打ちのキス。

 
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「また、来年も一緒に来ようね」
「……別に毎週でもいいんだけどな」

 くすり、と笑う彼。いつまでも、彼と幸せに過ごせますように。